ここ、メルボルンでは新鮮な魚が手に入りにくい。それは魚を獲ってから店頭に並べるまでに新鮮な状態を保とうと言うノウハウが乏しいからではと思う。
中国系の鮮魚店などは活きの悪い魚が店頭に並んでいるが、中国人は魚を油で揚げたり、味付けをかなり濃くしたり、香辛料を多用して、生臭さを消している料理が多いからだと思う。
それでも、より新鮮な魚を置いた店はそれなりに人気がある。ビクトリア・マーケットなどはそれなりに新鮮な魚が多い。昨日はマーケットではなく、Footscrayという魚の卸売市場がある場所に近い独立した鮮魚店に行った。もともと、卸売りを主体にしていた倉庫や加工場も持つ会社で併設した店舗で鮮魚や冷凍魚を売っている。
小ぶりの鯛と縞アジが新鮮だったので、3尾づつ購入した。鯛も縞アジもメルボルンが面しているPort Phillip
Bayという湾で取れたもので朝浜に上がったものだと言う。鯛は大型のものも有ったが、小型のものの方が断然活きが良くそちらにした。
縞アジはこちらでSilver
Breamというが青味の魚でこちらではそれほど人気のある魚では無い。値段も安いが活きの良いものにめぐり合う事が少ない。刺身となめろうにして食べた。
鯛は刺身と「清蒸鮮魚」にして食べた。「清蒸鮮魚」は私の得意なレパートリーのひとつである。何年か前に住んでいたシンガポールではガルーパと呼ばれるハタ(クエ)の一種がこの料理によく使われていた。本当は活魚を使いたいところだが、こちらでは敵わぬ夢である。もっとも、バラマンディとかコーラル・トラウトとかの魚を槽に入れて活魚でも売っている店もあるが、それらの「清蒸鮮魚」(Steamed
Fish)を中華料理店で食べてもシンガポールで食べたガルーパには敵わない。
ガルーパの「清蒸鮮魚」でシンガポールの食べ物の事を思い出した。あそこでの食べ物は何と言ってもホッカセンターと呼ばれる屋台の如くの食べ物屋が集まったメルボルンで言えばフードコートのような所である。骨肉茶(バクーテ)、海南島風チキンライス、ラクサ、フィッシュヘッドカレーなど懐かしい。
そういえば、先週の土曜日に知人と一緒に当地のマレーシア料理店で久し振りにマレーシア料理を頂いた。美味しかったが本場で食べるものと比べるとちょっと洗練されていてその意味では物足りなかった。
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